デコボコWORLD
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/
障害者当人(アスペルガー症候群)が、障害に関する情報や私見などを発信していくブログです。(※無期限休止中)
AS
2017-06-11T15:05:47+09:00
ja
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更新の無期限休止のお知らせ
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2017-06-11
お久しぶりです。今回は、大事なお知らせがあります。近頃はブログの更新をしていませんでしたが、それには理由があり、「他に専念したい事ができた」為です。そして、今後ブログの方をどうしようか考えた結果、当ブログは「無期限休止」とする事にいたしました。誠に勝手ではございますが、何卒ご了承ください。
その他
AS
2017-06-11T15:05:47+09:00
今回は、大事なお知らせがあります。
近頃はブログの更新をしていませんでしたが、
それには理由があり、「他に専念したい事ができた」為です。
そして、今後ブログの方をどうしようか考えた結果、
当ブログは「無期限休止」とする事にいたしました。
誠に勝手ではございますが、何卒ご了承ください。
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4障害の比較
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
身体障害、精神障害、発達障害、知的障害…今回は、障害の事を語る上では基本となるこの4つの大分類について、様々な面で比較したいと思います。(この4つの基礎的な事については、以前の記事をご覧ください)以前に書いた内容も多いですが、大事なところなので、「まとめ」として再確認のつもりでご覧ください。
情報(全般)
AS
2017-03-11T11:51:07+09:00
今回は、障害の事を語る上では基本となるこの4つの大分類について、
様々な面で比較したいと思います。
(この4つの基礎的な事については、以前の記事をご覧ください)
以前に書いた内容も多いですが、大事なところなので、
「まとめ」として再確認のつもりでご覧ください。
1. 4障害の関係
「体」と「心」が対であるように、
「身体障害」と「精神障害」は対となっています。
そして、精神障害は広義には発達障害を含み、
発達障害は広義には知的障害を含みます。
事実、障害者手帳などでは、発達障害は精神障害の一部として扱われています。
なおここからは「狭義」の意味で、4種類の障害を
それぞれ別々のものとして扱っていきますので、ご了承ください。
2. 発症のタイミングと治るか否か
まず身体障害は、先天的、後天的どちらも十分有り得ます。
先天的な例としては、「生まれつき目が見えない」などですね。
また、大体の場合は治りません。
例えば「脳の損傷によって車椅子生活を余儀なくされた人が、
時が経てば普通に歩けるようになる」というのは考えにくいですよね。
ただ、ものによってはリハビリテーションや手術などで治る可能性もあり、
今後、医療技術の進歩によって治せるものは増えてくるとは思います。
そして精神障害は、主に後天的であり、主に治ります。
例えば「生まれつきうつ病」「一生うつ病」というのは考えにくいですよね。
したがって、他種の障害と比べて「一般的な病気」に近いといえ、
その為「精神疾患」「精神病」といった呼称もあります。
最後に発達障害・知的障害は、ほぼ先天的であり、ほぼ治りません。
基本的には、生まれてから死ぬまで、一生障害と付き合っていく事となります。
「小さい頃にかかる」とか「子供の障害」とかいった扱いをされる事もありますが、
小さい頃に「発覚」するというだけで、
生まれた後に何らかの外的要因でかかる訳ではありませんし、
成長に伴って「緩和」され目立ちにくくなる事はあり得ますが、
「完治」するという事はほぼあり得ません。
3. 対応する障害者手帳
自身の障害を証明する為の「障害者手帳」には3種類あり、
身体障害に対しては「身体障害者手帳」、
精神障害・発達障害に対しては「精神障害者保健福祉手帳」、
知的障害に対しては「療育手帳」があります。
(障害者手帳の詳しい事については以前の記事へ)
身体障害者・知的障害者は多くの人が手帳を取得していますが、
精神/発達障害者はあまり取得している人がいません。
(両方を合わせての事なので、発達障害者の方は
比較的取得しているかもしれませんが…)
これは、前項で書いた「主に後天的であり、主に治る」
「一般的な病気に近い」という精神障害の性質が
理由だと考えられます。
4. 人数と年齢
それぞれの人数は「身体 > 精神/発達 >>> 知的」となっています。
ただし前項で書いたように「精神/発達障害者はあまり手帳を取得していない」為、
手帳の発行数は「身体 >>> 知的 > 精神/発達」となっています。
そして、身体障害者は「高齢者」に多く、
そうでない人(65歳未満)の2倍以上います。
身体障害は「主に不治」であり、
しかも発達・知的障害とは違って「後天的」なものも多い為、
年齢が高くなれば必然的にその割合も高くなっていくわけです。
また、「老衰」が多くの身体障害の引き金となる事も理由と考えられます。
例えば「耳が聞こえにくくなる(=聴覚障害)」などですね。
一方その他の障害は、「先天/後天」と「治る/治らない」の組み合わせ的に
「年齢による割合の差」はあまり出ず、「老衰」が引き金となるものも少ない
(発達・知的障害ではまずあり得ない)ので、そこまで高齢者は多くありません。
そういった事から、高齢者の割合は
「身体 >>> 精神/発達 > 知的」となっています。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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障害者の就職
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2017-02-25
お久しぶりです。色々あって大分日が空いてしまいましたが、今回は「障害者の就職」についてです。
情報(全般)
AS
2017-02-25T20:44:55+09:00
今回は「障害者の就職」についてです。
1. ハンディを補う仕組み
雇う側からすれば、障害者というものは
健常者に比べて「あまり使えない」「扱いにくい」というのが
大体の人の本音でしょう。
しかし、だからといってその本音通りにしてしまっては、
多くの障害者が、好き好んで障害を負った訳ではないにも関わらず
生活に困窮する事となってしまいます。
(障害年金や生活保護もありますが、全員が得られるとは限りませんし、
得られたとしてもその金額は働いて得るものよりも劣ります)
そこで、「企業は従業員の2%以上を障害者としなければならない」
という決まりがあり(ただし実際は半分以上の企業がこれを達成できていない)、
この割合を「法定雇用率」といいます。
(障害の種類によって対象となった時期に差があります、詳しくは以前の記事へ)
そして(障害者手帳を持っている)障害者は、就職の際に
各企業がこの条件を満たす為に設けている「障害者雇用枠」というものを
利用する事ができます。(略して「障害者枠」とも)
この枠を利用する場合は、当然ながら自分の障害を会社側に「開示」する事となり、
これは「オープン」ともいわれます。
しかし、障害者は障害者雇用枠を利用しなければならない、という訳ではなく、
障害は「非開示」で、健常者に交じって一般の枠で就職する事もできます。
これはオープンに対して「クローズド」ともいわれます。
開示するかしないかは、自分が「他とは違う存在」として扱われたいか
「他と同じ存在」として扱われたいかなどで、各々が決めてよいのです。
(開示と非開示のメリット・デメリットについては以前の記事へ)
2. 障害者に適した職場
障害者の就職にあたっては、「枠」の選択の他にも、
「職場」の選択も重要となります。
職場の中には「障害者に適している」といえるものがあり、ここでは
「ダイバーシティ」「特例子会社」「継続型就労支援作業所」「授産所」の
4つを紹介したいと思います。
まずは、一般の企業です。
第1に「ダイバーシティ(diversity)」ですが、
これは「多様性」を意味する言葉であり、
性別・年齢・人種・障害などに囚われず多様な人々を雇い、
その多様性を活かそうとするアプローチを意味する言葉でもあります。
中でも「障害」に対してこういったアプローチを行っている企業は、
障害者に比較的適しているといえます。
(例:平成26年度ダイバーシティ経営企業100選 (PDF))
第2に「特例子会社」ですが、前項で書いた「法定雇用率」を満たすにあたって、
障害者を健常者に交じらせるのではなく、障害者を集めて健常者とは別にして、
その為の会社を別に作り、全体としてこの雇用率を満たそう、というやり方があり、
その会社を「特例子会社」といいます。
障害者を集めるという事は、必然的に普通の会社よりも配慮が必要となり、
また健常者からの差別も起こりにくいので、障害者に比較的適しているといえます。
さてここからは、一般の企業でない職場となります。
第3に「継続型就労支援作業所」ですが、これは一般の企業に
就職する事が困難な障害者に対し、訓練を兼ねて仕事を提供する場です。
雇用されて給与を貰う「A型」と、雇用されず工賃を貰う「B型」があります。
第4に「授産所」ですが、これは一般的には「ただお金が貰えるもの」という
イメージが強い「生活保護」の1つであり、これを受けている障害者などが
「入所」して作業を行い工賃を得る施設です。「授産施設」とも呼ばれます。
なお前述の通り、生活保護を受けている人でないと利用できません。
3. 障害者の就業率
一般企業においては、障害者の中では身体障害者が
最も好まれ、最も雇用されています。
「最も好まれている」という事を裏付けるデータとして、
事業所への調査で、「身体障害者・知的障害者・精神/発達障害者」を
「22.7%・ 6.7%・ 4.2%」が積極的に雇用したい、
「24.7%・17.7%・13.8%」が一定の行政支援があれば雇用したい、
「12.5%・22.5%・25.3%」が雇用したくない、と答えています。
(出典:平成25年度障害者雇用実態調査)
そして、以下が各種障害者の就業率です(2006年調べ)。
「あれ? 身体障害者が最も雇用されてるんじゃなかったの?」と
お思いになった方もいると思いますが、これには理由があるのです。
働いている知的障害者は、その約6割が前項で紹介した
「授産施設・作業所等」で働いていて、一般企業ではないのです。
(なお身体は1割未満、精神/発達は4割弱)
したがって、「一般企業で働いている割合」は身体障害者が最も高いですが、
単に「働いている割合」では知的障害者が最も高くなるという訳です。
さてデータを見ると、精神/発達障害者の就業率がやけに低いですが、
これは精神/発達障害者に「非開示」の人が多く、
それらはカウントできないからです。
精神/発達障害は他種の障害に比べ「分かりにくい」傾向にあり、
それはすなわち「隠しやすい」という事でもあるのです。
ところで、前回の記事を見てくださった方は、
「今回のデータ、前回に比べて精神/発達障害者の比率がやたら小さくない?」と
疑問に思われたかもしれませんが、
これは精神/発達障害者の障害者手帳を取得する割合が、
他種の障害に比べてやたら低い事によるものです。
身体障害者はほぼ全員、知的障害者も8割以上取得していますが、
精神/発達障害者は2割にも満たないのです。
これは、精神障害の多くが治るもので
「一生付き合っていくものではない」という事や、
「精神疾患」「精神病」といった呼称から
「障害」というイメージがあまりない事が理由だと考えられます。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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障害者の割合
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2017-01-27
今回は、我が国日本における「障害者の割合」についてです。私は「障害者の割合は増えてきている」という話を目にしたような覚えがあるのですが、実際のところはどうなのか…という訳で、調べて見つけた以下のデータを基に、「障害者の割合」についてまとめてみました。出典(引用ではなく参考)・昭和55年国勢調査 ~ 平成22年国勢調査 人口推計 (総務省統計局)・平成25年版 障害者白書 第1編 第1章 障害者の状況(内閣府)→ページなお「障害者白書」は、内閣府が1996年から毎年作成している障害者に関する報告書で、こちらから見られます。
情報(全般)
AS
2017-01-27T14:58:31+09:00
「障害者の割合」についてです。
私は「障害者の割合は増えてきている」という話を
目にしたような覚えがあるのですが、実際のところはどうなのか…
という訳で、調べて見つけた以下のデータを基に、
「障害者の割合」についてまとめてみました。
出典(引用ではなく参考)
・昭和55年国勢調査 ~ 平成22年国勢調査 人口推計 (総務省統計局)
・平成25年版 障害者白書 第1編 第1章 障害者の状況(内閣府)→ページ
なお「障害者白書」は、内閣府が1996年から毎年作成している
障害者に関する報告書で、こちらから見られます。
1. 障害者の割合とその推移
まず、日本における障害者の人数は、
2005~2011年の調査では「約741.1万人」です。
そして、その頃の日本の総人口は、
2005年と2010年の調査の平均で「約1億2791万人」です。
よって、日本における障害者の割合は「約5.8%」となります。
約17人に1人、意外と多いですね…
また、1980~2010年の総人口と
各種障害者(身体 / 知的 / 精神・発達)の人数の推移は
このようになっています。
障害者の人数は増えていっていますが、
同時に総人口も増えていっているので、これでは
「障害者の割合」が増えているかどうかは分かりにくいです。
そこで、上のデータから割合を求めて
折れ線グラフにしたものが次の図です。
右肩上がりになっています。
つまり、「障害者の割合は増えてきている」という話は
事実だった、という事です。
2. 各種障害者の割合と実状
そしてこのデータからもう1つ分かるのが、障害者の割合が
「身体 > 精神・発達 >>> 知的」であるという事です。
知的障害者だけこんなに少ないとは意外ですね…
しかしそうであるにも関わらず、国の対応の順番は
「身体 → 知的 → 精神・発達」でした。
「このデータがそれぞれ何年からあるか」という事から分かる通り、
それぞれの調査を始めた時期もこの順番ですし、
法定雇用率の対象になった(詳細はこちらの記事にて)のも
この順番でした。
おかしくないですか?
人数が少なければ冷遇してよいという訳ではありませんが、
順番に対応するのであれば「人数が多いもの」を
優先すべきなのではないかと私は思います。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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寄り道ランナー・ADHD
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2017-01-13
新年一発目となる今回は、自閉症と共に「二大・有名な発達障害」だと思われる「ADHD」についてです。(自閉症については以前の記事をご覧ください→ 分類/症状)実は私も、アスペルガー症候群の方とは違って正式にそう診断されてはいないものの、小さい頃に「軽いADHDの症候がある」というような事を言われており、自分でも少し当てはまっていると感じています…最近では「大人のADHD」が話題になった事もありましたが、この「ADHD」とはいったいどんな障害なのか、今回はそれを書いていきたいと思います。
情報(発達・知的)
AS
2017-01-13T11:24:48+09:00
「二大・有名な発達障害」だと思われる「ADHD」についてです。
(自閉症については以前の記事をご覧ください→ 分類/症状)
実は私も、アスペルガー症候群の方とは違って
正式にそう診断されてはいないものの、小さい頃に
「軽いADHDの症候がある」というような事を言われており、
自分でも少し当てはまっていると感じています…
最近では「大人のADHD」が話題になった事もありましたが、
この「ADHD」とはいったいどんな障害なのか、
今回はそれを書いていきたいと思います。
1. ADHDの概要
ADHDは「注意欠陥・多動性障害」の英語の略称です。
ADが注意欠陥に、Hが多動性に該当します。
また、これに似たようなものとして
注意欠陥の方のみの「ADD(注意欠陥障害)」というものもあります。
ADHDの症状の特徴はその名の通り「注意欠陥」と「多動」なわけですが、
この言葉だけではどんな感じなのか分かりにくいですよね…
そこで、以前の記事で自閉症の症状を説明した際に
「変な方向にきっちりしすぎている」と一言で表現したように、
今回も一言で表現しようと思います。
ADHDの症状を一言で表現すると、
「寄り道の多いランナー」です。
次項から、これがどういう事なのかを説明していきます。
2. 多動 ~寄り道の果ての迷子~
「多動」とは字の通り「よく動く」という事であり、
身体的にも、精神的にもよく動くという特徴があります。
「身体的によく動く」というのは、「じっとしていられない」
「常に体をもぞもぞさせている」といったような事であり、
後者は私もやや当てはまっていると感じています。
寝る時とか…
一方「精神的によく動く」とはどういう事かというと、
「1つの事に集中できず、移り気である」というような事です。
私も熱しやすく冷めやすい飽き性な人間なので、
やはりやや当てはまっていると感じます。
「精神的によく動く」事は、例えばこのような弊害をもたらします。
「今日はゴミ出しの日だ、ゴミを出さないと…
そういえば、今日はスーパーのセールもあるんだったっけ…
何を買おうかなぁ、何を作ろうかなぁ…
そもそも今冷蔵庫に何が残ってたっけ…
冷蔵庫といえば、最近何だか冷蔵庫の調子が悪いんだよね…
買い替えるべきかなぁ、買うならどんなやつが良いかなぁ…
あっ、ゴミを出すんだった、でももうゴミ収集車行っちゃった…」
例えるならば、「目的地に行く途中で脇道が気になって、
脇道にそれていく事を繰り返している内に、元いた道が
分からなくなって迷子になり、目的地に辿り着けなくなる」
という感じでしょうか…
3. 注意欠陥 ~全力疾走ランナー~
移り気で色々な事をやるADHDですが、そもそも「移る」という事は
「それまでやっていた事はやめる」という事なので、
「複数の事を同時にやったり気に留めたりする」事が苦手だといえます。
その為、「今やっている事」に全力を注ぎ、
それ以外の事は疎かになる、という事が起きます。
その結果生じるのがもう1つの「注意欠陥」です。
例えるならば、「全力疾走している為に、走る事以外を
気にしている余裕がない」という感じでしょうか…
では、この注意欠陥の症状の例を2つ挙げます。
まず1つ目の例は「歩行中によく体の一部をぶつけてしまう」です。
「車幅感覚がない」とも形容される症状で、
「物を避ける事」以外の事の為に「物を避ける事」が
疎かになっているという事です。
私もよくぶつけてしまうのですが、
その時私は「目的の場所に辿り着く」事だけを考えていて、
「ぶつからないようにする」事など頭の中にはないのです。
ぶつけたらもちろん痛いし嫌なんですけどね…
そして2つ目の例は「よくボーっとしているように見える」です。
あくまで「見える」だけというのがポイントであり、
実際は「考え事」や「空想」に全力を注いでいて、
それ以外が疎かになる事でボーっとしているように見えるのです。
私も空想するのは大好きです。
では、今回はこれで終わりです。
追記:「注意」という言葉の意味
どうやらADHDにおいて「注意」という言葉は、
「集中」とほぼ同じ意味でも使われているようです。
国語辞書で「注意」の意味を調べてみたら、
その1つに「ある対象を認知・明瞭化しようと意識を集中させ、
それ以外は抑制・排斥される心的活動」というようなものが
ありました(原文とは少し変えてあります)。
そして「注意力」という言葉は、この意味に基づいた
「集中力」とほぼ同じ意味の言葉であるという事も判明しました。
(「気を配る・気付く能力」の事だと思ってました…)
「注意」と「集中」は対立する概念だと思って、
それを前提に記事を書いたのですが、ほぼ同じ意味となると
話が変わってきて、「多動」の方に書いた「精神的によく動く」は
「注意欠陥」の方に該当する事になります。
紛らわしくて申し訳ありません…
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障害テスト2016
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-12-29
もうすぐ2016年も終わりです。そこで今回は、年末によくある「総まとめ」として、これまでの記事の内容から「障害のテスト」を作ってみました。あなたは障害の事をどれだけ理解できているでしょうか?
その他
AS
2016-12-29T17:14:36+09:00
そこで今回は、年末によくある「総まとめ」として、
これまでの記事の内容から「障害のテスト」を作ってみました。
あなたは障害の事をどれだけ理解できているでしょうか?
各4点×25問の100点満点です。
答えは「ア…」などのすぐ右をドラッグ(反転)する事で
確認できます。
[1] 文章中の(ア)~(ス)に当てはまる語句を、
それぞれ選択肢の中から選んで記号で答えなさい。
なお、同じ選択肢を複数回使ってもよいものとする。
【選択肢】
(A)身体障害 (B)精神障害 (C)知的障害 (D)発達障害
【問題】
障害は、上記の選択肢の4種類に大別される。
この4種類はそれぞれ別々のものとして扱われる場合もあれば、
(ア)が(イ)の一種、(イ)が(ウ)の一種として扱われる場合もある。
(エ)と(オ)はほぼ先天性かつ不治の障害であり、
(エ)は(オ)の症状の1つとして表れる事がある。
自身の障害を証明する「障害者手帳」には、
(カ)を対象とする「(カ)者手帳」、(キ)を対象とする「療育手帳」、
(ク)および(ケ)を対象とする「(ク)者保健福祉手帳」の
3種類がある。
4種類の障害をそれぞれ別々のものとして扱う場合、
認知症は(コ)、自閉症は(サ)、聴覚障害は(シ)、学習障害は(ス)に
分類される。
【正解】
ア…C イ…D ウ…B エ…C オ…D
カ…A キ…C ク…B ケ…D コ…B
サ…D シ…A ス…D
[2] 次の各文の内容が正しければ○、誤っていれば×で答えなさい。
【問題】
1. 障害は1人が2種類以上同時に持ちうる。
2. 障害者は「障害者手帳」を取得しなければならない。
3. パラリンピックはあらゆる種類の障害者が対象である。
4. 精神障害にも一般的な病気のように薬物療法がある。
5. 点字ブロックには黄色でないものもある。
6. 盲導犬・聴導犬・補助犬を総称して「介助犬」という。
7. レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーを
総称して「性的少数者」という。
8. 「視覚障害者」とは目の見えない人の事である。
9. 「高機能自閉症」とは知的障害のない自閉症の事である。
10.「幻覚」とは実際にはないものを見たように感じる事である。
11.「障害者」の対義語は「健常者」である。
12.「広汎性発達障害」の対義語は「偏狭性発達障害」である。
【正解】 ※「×」の場合はその後に簡単な解説もあります
1… ○
2… ×(取得するかどうかは任意)
3… ×(肢体不自由者・視覚障害者・知的障害者のみ)
4… ○
5… ○
6… ×(盲導犬+聴導犬+介助犬=補助犬)
7… ×(LGBTであり性的少数者の全てではない)
8… ×(見えにくい人も含む)
9… ○
10…×(幻覚には視覚以外の感覚も含まれる)
11…○
12…×(特異性発達障害)
テストはこれにて終了です。
お疲れ様でした。
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身体障害者へのジェラシー
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-12-16
私は障害者(発達障害者)です。しかし、健常者に対しては特にジェラシーは抱いていません。障害者が健常者より劣った存在だとは思っていないし、弱者の気持ちが分からない人間にはなりたくないからです。ただ、「身体障害者」に対してはジェラシーを抱いています。今回は、その事について書いていこうと思います。
私見
AS
2016-12-16T14:28:40+09:00
(発達障害者)です。
しかし、健常者に対しては特にジェラシーは抱いていません。
障害者が健常者より劣った存在だとは思っていないし、
弱者の気持ちが分からない人間にはなりたくないからです。
ただ、「身体障害者」に対してはジェラシーを抱いています。
今回は、その事について書いていこうと思います。
1. 身体障害者へのジェラシーポイント
まず、身体障害とそれ以外の障害では知名度が大違いです。
街中でも、点字や点字ブロックがあったり、
身体障害者用の駐車場やトイレがあったりと、
だいぶ一般社会に浸透している感じがあります。
(なお身体障害者用のトイレは、現在は「多目的トイレ」などと
呼ばれるようになって、対象者が拡大しているようです)
そして、理解の得やすさも大違いです。
車椅子などの道具を使っていれば見かけで理解してもらえますし、
そういうものがなく見かけで分からない(内部障害など)場合でも、
身体的なものならば、説明すれば大体理解は得られるでしょう。
一方それ以外の障害は、知名度の低さも災いして、
理解を得る事が難しい傾向にあります。
「甘えだ」とか「努力が足りない」とか思われるケースもあります。
さらに、社会の仕組みにも身体障害者を優遇するものがあります。
例えば、障害者の就職支援として、
「会社は雇う人の2%以上を障害者にしなければならない」
という決まりがある(この割合を法定雇用率という)のですが、
この決まりが出来た当初は、対象が身体障害者のみだったのです。
具体的には、1960年に身体障害者のみを対象として始まり、
1987年に知的障害者が対象に加わって、
2006年にようやくそれ以外の障害者も対象になりました。
これは過去の話ですが、この扱いの差はひどいと思います。
2. 身体とそれ以外の「差」
「職業に貴賤はない」と言いますが、私は
「障害の種類にも貴賤はない」という事を言いたいです。
医師国家試験の過去問でも、
障害者への対応に関する正しい文を選ぶ問題で、
「間違い」の選択肢として「身体障害者は精神障害者より
優先して対応すべき」というものがありました。
なのにこの差は一体何なんでしょうか。
近年は身体障害以外の障害も多少知られてきて、
その差は縮まりつつはありますが、はっきり言ってまだまだです。
この差は完全に無くさなければならない、私はそう思います。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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障害の記念日
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-12-04
昨日、Wikipediaの「今日は何の日」というものを見てみたところ、この日(12月3日)は「国際障害者デー」という記念日だそうです。我々の為の記念日があるとは嬉しいですねー。そこで今回は、「障害にまつわる記念日」を調べてみました。
情報(全般)
AS
2016-12-04T11:16:37+09:00
Wikipediaの「今日は何の日」というものを見てみたところ、
この日(12月3日)は「国際障害者デー」という記念日だそうです。
我々の為の記念日があるとは嬉しいですねー。
そこで今回は、「障害にまつわる記念日」を調べてみました。
1. 日本の記念日
先述の「国際障害者デー」は国際的な記念日ですが、
日本でも、12月9日に「障害者の日」というものがあります。
作られたのは1980年で、1992年に作られた国際障害者デーに比べ
12年も早く作られている事になります。誇らしい話です。
そして、国際障害者デーである12月3日から
障害者の日である12月9日までの1週間は、
1995年より「障害者週間」とされています。
この機会に、障害の事に関心を持ってもらいたいですね。
(そもそも障害者週間など自体の知名度が低いですが…)
2. 世界の記念日
一方世界に目を向けてみると、国際障害者デーの他にも、
「特定の障害」にまつわる記念日があるようです。
まず、「世界ダウン症の日」というものが3月21日にあります。
2004年に世界ダウン症連合によって作られたのち、
2012年に国際連合に認められた記念日です。
ダウン症は、通常は2本のはずの「21番染色体」を
「3本」持っている事によって発症する先天性障害なので、
「3」月「21」日に決められたそうです。
また、「世界自閉症啓発デー」というものが4月2日にあります。
2007年に国際連合によって作られた記念日です。
他にも、2月の第2日曜日にある「Autism Sunday」
(日本語の名称はない模様で、直訳すれば「自閉症の日曜日」)など、
世界には色々な「障害にまつわる記念日」があるようです。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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視覚障害者の「杖」
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-11-22
今朝、新聞で「白杖(はくじょう)は全盲とは限らない」という記事を見ました。…「白杖」?私はただの一障害者の端くれであり専門家ではないので、障害に関する知識は一般的な健常者に毛が生えた程度です。その為、「視覚障害者は周囲の状況を把握する為に杖を使うだろう」という事は何となく分かっていましたが、「白杖」なる特別な杖があって、それを使っているという事は、恥ずかしながら知りませんでした。その記事では弱視の方の「白杖は全盲の人だけでなく弱視の人も使っているから、そこは勘違いしないでほしい」という訴えがありましたが、私はその白杖自体を知らなかったので勘違いする段階にさえ至っていなかったのです。これは障害の情報を伝える者としてまずいと思い、自分自身が白杖について学ぶ事を兼ねて、白杖の記事を書く事に決めました。(なお全盲と弱視については、以前に書いた「身体障害の種類」をご覧ください)
情報(身体)
AS
2016-11-22T15:43:11+09:00
「白杖(はくじょう)は全盲とは限らない」という記事を見ました。
…「白杖」?
私はただの一障害者の端くれであり専門家ではないので、
障害に関する知識は一般的な健常者に毛が生えた程度です。
その為、「視覚障害者は周囲の状況を把握する為に杖を使うだろう」
という事は何となく分かっていましたが、「白杖」なる特別な杖があって、
それを使っているという事は、恥ずかしながら知りませんでした。
その記事では弱視の方の「白杖は全盲の人だけでなく
弱視の人も使っているから、そこは勘違いしないでほしい」
という訴えがありましたが、私はその白杖自体を知らなかったので
勘違いする段階にさえ至っていなかったのです。
これは障害の情報を伝える者としてまずいと思い、
自分自身が白杖について学ぶ事を兼ねて、白杖の記事を書く事に決めました。
(なお全盲と弱視については、以前に書いた「身体障害の種類」をご覧ください)
※このイラストの作者は私ではありません(いらすとや様)。
著作者が利用を許可されている為、利用させていただいております。
1. 白杖とは何か?
白杖は、視覚障害者を主とする特定の障害者の歩行を補助する為の
白色または黄色の杖です。
視覚障害者の場合だと、前方の障害物や段差などを把握したり、
他の人への注意喚起をしたりするのに使います。
「特定の障害者」には、視覚障害者(義務)に加え、
道路の通行に著しい支障がある肢体不自由者・聴覚障害者・
平衡機能障害者(任意)が当てはまります。
道路交通法により、(障害者手帳の交付を受けた)視覚障害者は
これを持っているか盲導犬を連れていなければならず、
逆に上記の「特定の障害者」に当てはまらない者は
これを持っていてはならないとされています。
つまり、普通の高齢者が「おしゃれ」として杖を白いものにしたら
ダメという事であり、知らないと非常にまずいといえます。
(つまり私も非常にまずかったという事…)
2. 弱視者の無理解問題
そして、先述の記事を読むに、
「全盲だけが視覚障害だ」という勘違いがあるのと同じように、
「全盲の人だけが白杖を持っている」という勘違いがあるようです。
前項で述べたように、弱視者にとっても白杖の携行は義務であるというのに、
そのような勘違いはあまりにも酷だと思います。
以前にも書いたように、軽度の障害には常に「無理解」が付きまといます。
新聞記事では、この無理解(誤解)を解消すべく視覚障害者の方が
「白杖は全盲とは限らない」という事を伝える啓発グッズを作っている、
という事が書かれてあります。
このブログも「障害に対する理解を深めてもらう」事が目的であり、
私はこの活動を応援します。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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こだわり人間の苦悩
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-11-13
今回は、私自身の障害(アスペルガー症候群)の話です。以前の記事で自閉症スペクトラム障害の症状として書いた「こだわり」について書いていこうと思います。なお、「こだわり」と聞くと「シェフこだわりの一品」みたいな良さげなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はそんな良さげなものではないので、「固執」とでも言った方が語弊がないかもしれません…
私の障害
AS
2016-11-13T15:11:11+09:00
(アスペルガー症候群)の話です。
以前の記事で自閉症スペクトラム障害の症状として書いた
「こだわり」について書いていこうと思います。
なお、「こだわり」と聞くと「シェフこだわりの一品」みたいな
良さげなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、
実際はそんな良さげなものではないので、
「固執」とでも言った方が語弊がないかもしれません…
1. こだわり=苦しみ
私は色々なこだわりを持っていますが、
その中でも最たるものが「自分の書く字」に対するこだわりです。
小学生時代、自宅で数字を書く宿題をしていた時、
突然自分の中の「こだわり」が目覚めました。
それまでは全く気にしていなかった自分の字に対して、
対極的ともいえる異常なまでのこだわりを見せ、
「1~10をそれぞれ10回ずつ書く」程度の内容にも関わらず、
40分くらいかかった覚えがあります。
この時私が楽しかったかというと、決してそんな事はなく、
むしろ「苦しかった」です。早く解放されたかったです。
自分で自分を縛り付けているのに、妥協すればいいのに、
そのこだわりに逆らう事はできませんでした。
そしてその後も、主に勉強の面において、
このこだわりに逆らえずに苦しみ続ける事となりました。
小学生の時の「10×10マスに習った漢字とそれを使った言葉を書く」
という宿題が、嫌で嫌でたまりませんでした。
私にとって、「こだわり」とは「苦しみ」なのです。
これは私のアイデンティティの一部でもありますが、
「無くなればどんなに楽だろうか」とも思います。
2. ずれた完璧主義
私の字に対するこだわりは、自分の中の基準に沿った
「整った字」が書けるまで何度も書き直す、という形で表れます。
基準に沿って書けた字は非常に「きっちりとした」感じの字で、
これまでその字をよく褒められてきましたが、
個人的にはゴシック体より明朝体の方が好きですし、
自分の字をそこまで「美しい」とは思いません。
ここに、我々が持つ「こだわり」の肝があると思います。
我々のこだわりは「周りから見て良いものにしたい」というものではなく、
あくまでも「自分から見て良いものにしたい」、あるいは
「自分でも良いとは思わないが、何故かそうでない事が許せない」
というものなのです。
以前の記事(リンクは冒頭に)で、「何故そんな事にこだわるのか」
「そんな事は適当でいいんじゃないのか」という事をこだわる、
と書きましたが、それは上記のような思いから来ているわけです。
その為、いわゆる「完璧主義」と似たものだとは思いますが、
一般的なそれとは微妙に違った「ずれた完璧主義」なのだといえます。
なお、一般的な完璧主義は全体的に完璧を求めるものかと思いますが、
我々はこだわりまくる物事がある一方で、興味がなくて
全く気に留めない物事もあり、その点でも「ずれている」といえます。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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健常者の呼称・障害者の俗称
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02
今回は、「特定の健常者に対する呼称」や「特定の障害者に対する俗称」について書いていきます。
情報(全般)
AS
2016-11-02T21:29:03+09:00
「特定の健常者に対する呼称」や
「特定の障害者に対する俗称」について書いていきます。
1. 健常者の呼称
これまでも度々登場しましたが、
障害を持っていない、障害者でない人の事を「健常者」といいます。
これは「障害全般」を持っていない事に対する呼称ですが、
ある「特定の障害」を持っていない人に対する呼称もあるのです。
「視覚障害者」に対して、視覚障害を持っていない人の事は
「晴眼者」といいます。
また、「発達障害者」に対して、発達障害を持っていない人の事は
「定型発達者」といいます。
2. 障害者の俗称
特定の種類の障害者に対する俗称というものが
世の中にはいくつかあり、例えば以下のようなものが挙げられます。
(蔑称にもなりうるので、あまり進んで使わないようお願いします)
「ガイジ」 … 障害を持つ子供「障害児」の略称。
知的障害児(+身体障害児)だけを対象とする場合も。
「コミュ障」…「コミュニケーション障害」の略称。
それを持つ人の事も意味する。
「メンヘラ」…「精神障害者」の俗称。
心の健康を意味する「メンタルヘルス」を略して「メンヘル」、
それが失われている状態の人という事で「er」を付けて
「メンヘラ」という理屈。
「池沼」 …「知的障害」「知的障害者」を意味するネットスラング。
「ちてきしょうがい」を略した「ちしょう」が
「池沼」と誤変換されて、それがそのまま定着した。
よって読みは「ちしょう」。
前から何度か書いているように、精神障害は軽く見られがちで、
特に「コミュ障」などは健常者に対しても普通に使われています。
そして悲しいのが、例え相手が健常者だったとしても、その相手を
貶める目的でこういった言葉が悪口として使われている、という現実です。
インターネット上でもよく見かけますし、実際私が中学生の頃、
健常者に対しても「ガイジ」「ガイジ」と連呼する男子がいました。
その頃はその言葉の意味を知らなかったのですが、
意味を知った今ではその発言に強い嫌悪感を覚えます。
また上で挙げた言葉の他にも、文章を理解できていない人に対して
アスペルガー症候群の略称である「アスペ」という言葉が
使われている場面を、インターネット上で度々見かけます。
意外とアスペルガー症候群の知名度が高いようで、
それは少し嬉しいですが、悪口に使われているのはやはり悲しいです。
実際に貶している相手だけでなく、その障害を実際に持つ人たちも
貶されているような感覚になりますし、貶しているようなものだと思います。
だから、こういった言葉を悪口に使うのは、できるだけ控えていただきたいものです。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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曖昧とは正反対の「自閉症」の症状
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-10-24
以前に、「自閉症」の指す範囲や境界が「曖昧」である、という記事(リンク)を書きました。しかし、その症状は「曖昧」とは正反対のもので、一言で表現すると、「変な方向にきっちりしすぎている」という感じです。という訳で、今回は自閉症(自閉症スペクトラム障害)の症状を、「曖昧とは正反対の性質」に焦点を絞って挙げていこうと思います。(自閉症スペクトラム障害については以前の記事(上述)をご覧ください)
情報(発達・知的)
AS
2016-10-24T14:24:33+09:00
「自閉症」の指す範囲や境界が「曖昧」である、という
記事(リンク)を書きました。
しかし、その症状は「曖昧」とは正反対のもので、
一言で表現すると、「変な方向にきっちりしすぎている」という感じです。
という訳で、今回は自閉症(自閉症スペクトラム障害)の症状を、
「曖昧とは正反対の性質」に焦点を絞って挙げていこうと思います。
(自閉症スペクトラム障害については以前の記事(上述)をご覧ください)
1. 曖昧を許さない「徹底したこだわり」
まず、彼ら/彼女らは「変なこだわりを多く持っている」傾向にあります。
傍から見れば「何故そんな事にこだわるのか」
「そんな事は適当でいいんじゃないのか」と思えるようなものも
多いですが、そこを曖昧にしたり妥協したりするのは
彼ら/彼女らにとって非常に難しい事なのです。
そして、その「こだわり」や自分の予定の通りに行かない事を嫌い、
突然の予定外の出来事に混乱する傾向があります。
そんな変なこだわりを多く持つ彼ら/彼女らは、
興味を持つ対象も狭く変わっている傾向にあります。
しかし「狭い」という事はその分「深い」という事でもあり、
その為、特定の分野で優れた能力を発揮する事もあります。
2. 曖昧な表現や感情が分からない「コミュニケーション音痴」
そして、彼ら/彼女らは「曖昧な表現や感情を理解しにくい」傾向にあり、
ゆえにコミュニケーションが苦手な傾向にあります。
まず、話を字面通りに受け止める傾向にあり、
遠回しな言い方などの曖昧な表現を理解しにくい傾向にあります。
また、表情や仕草などから曖昧な感情を読み取る事も難しく、
相手の事を考えたり推測したりする能力に欠けている傾向にあります。
有名な実験に「サリーとアン課題」というものがあり、その内容は
「サリーとアンは部屋で一緒に遊んでいた。
サリーがカゴの中にボールを入れて部屋を離れた後、
アンはサリーがいない間にボールを箱の中に移した。
戻ってきたサリーはボールを取り出そうとしたが、
彼女はどこからボールを取り出そうとしただろうか?」
といったものです。
(入れる物には、ボール以外が使われる事もあります)
正解は「カゴ」ですが、自閉症の人(子)はこれを
「箱」と誤答する割合が高いのです。
3. 一本道を突き進むがごとし
そういった性質を持つ自閉症の人たちは、例えるならば
「変な方向に伸びた狭い一本道を突き進んでいる」という感じです。
彼ら/彼女らは、多くの人が通る広い道ではなく、
全然違う方向の狭い道を選びます。
一本道なので、急にその道が塞がれたら、
それる別の道はないので、どうしようもなくなってしまいます。
しかしそれずに突き進むという事は、より奥深くまで進めます。
回り道はないので、遠回りはできず、まっすぐ来てもらうしかありません。
…というような感じです。
彼ら/彼女らが苦手とするような抽象的な表現ですが、伝われば幸いです。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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ストレスと障害
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-10-14
人は誰しも様々なストレスを抱えていますが、この「ストレス」は、時に「ストレス障害」と呼ばれる精神障害を引き起こします。そこで今回は、「ストレスと障害」について書いていきます。
情報(精神)
AS
2016-10-14T10:39:52+09:00
この「ストレス」は、時に「ストレス障害」と呼ばれる
精神障害を引き起こします。
そこで今回は、「ストレスと障害」について書いていきます。
1. 恐るべき存在・トラウマ
強いストレスを受けると、それは時に「トラウマ」となります。
トラウマは「心的外傷」とも呼ばれますが、
物理的な「傷」がそれを負った時だけでなくその後も痛み続けるように、
そのストレスを受けた時だけでなくその後も苦しみ続ける、
まさに「心の傷」ともいえる存在です。
この「トラウマ」も、「うつ」や「フェチ」と同様に
日常会話などで軽い意味で使われ、軽く見られていますが、
他の2つと同じく、実際はもっと重いものです。
トラウマの原因となる体験を「トラウマ体験」といい、
トラウマを負った人は、その体験やそれにまつわる事を
極端に恐れる場合があります。
「トラウマを負い、その後も苦しみ続ける」というのが、
ストレスを原因とする障害「ストレス障害」の1つのパターンです。
なおトラウマの語源は「傷」を意味する古代ギリシャ語です。
一般的には「心的外傷」の意味で使われますが、
語源通り「物理的な傷」に対して使われる事もあります。
2. トラウマのストレス障害 ~ASDとPTSD~
トラウマを原因とするストレス障害には、
「急性ストレス障害(ASD)」と
「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」があります。
PTSDは比較的名が知られていますが、
ASDは知らない人も多いのではないでしょうか。
この2つの違いは症状の「持続期間」であり、
1ヶ月以内ならASD、それ以上ならPTSDとなります。
これらの障害の代表的な症状として、トラウマ体験が
突如鮮明に思い出される「フラッシュバック」があります。
寝ている間に「悪夢」として現れる場合もあります。
その他にも、トラウマ体験にまつわる事に対する回避行動や
不安、不眠などの症状があり、うつを併発する場合も多いです。
(うつについては以前に書いた記事をご覧ください(→1,2,3))
3. もう1つのストレス障害 ~適応障害~
さて、ストレス障害には、トラウマを原因とする先述の2つ以外にも
もう1つあります。
それが「適応障害」という障害です。
その名前からはどんな障害なのか分かりにくいですが、
自らが身を置く社会的環境に「適応」できずに生じた
「ストレス」を原因とした障害です。
こちらの原因はトラウマではなく「継続的なストレス」であり、
その原因が解消されれば治るのが特徴です。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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うつのバリエーション
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05
前々回と前回、うつについて説明しましたが、「うつ」には様々な種類があり、それぞれ異なった特徴を持っています。という訳で、今回は「うつのバリエーション」について書いていきます。
情報(精神)
AS
2016-10-05T21:53:30+09:00
前々回と前回、うつについて説明しましたが、
「うつ」には様々な種類があり、それぞれ異なった特徴を持っています。
という訳で、今回は「うつのバリエーション」について書いていきます。
1. 定型うつと非定型うつ
前回の記事で、うつは「普段は楽しい事が楽しく感じられない」と
書きましたが、実は「そうではない」タイプのうつもあります。
「楽しく感じられない」タイプのうつを「定型うつ(病)」というのですが、
それに対して「楽しく感じられるまま」のタイプのうつがあって、
それを「非定型うつ(病)」といいます。
非定型うつは、俗に「新型うつ(病)」と呼ばれているもので、
「楽しい事は楽しく感じるのでやりたがるが、それ以外の事は
やる気が起きなくてやりたがらない」という性質から、
定型うつに比べて余計「甘え」と勘違いされやすいです。
2. 季節性うつ
うつには「特定の季節にだけ発症する」タイプもあり、これを
「季節性うつ(病)」や「季節性情動障害 (略称:SAD)」などといいます。
様々な季節で発症し得ますが、冬に発症するものが多いです。
発症する季節によって、「冬季うつ(病)」「夏季うつ(病)」といった
呼び方をされる場合もあります。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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「うつ」と「躁」の心理
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
前回の記事で、「うつ」にはちゃんとした「原因」がある事を説明しました。ただ、「うつ=甘え」という思い込みが広がっているのには、「原因がある事を知らない」事ともう1つ、「どういう心理状態なのか分かっていない」という事もその理由となっているのではないかと思います。そこで今回は、「うつ」とその対極的存在である「躁(そう)」の心理状態について書いていこうと思います。なお筆者は以前に軽いうつを経験しており、その経験を基にした主観的な内容も多分に含まれております。ぜひ参考にしていただければとは思いますが、この文章の内容とは異なるケースがないとは言い切れませんので、その点はご了承ください。
情報(精神)
AS
2016-09-28T15:06:22+09:00
前回の記事で、「うつ」にはちゃんとした「原因」がある事を
説明しました。
ただ、「うつ=甘え」という思い込みが広がっているのには、
「原因がある事を知らない」事ともう1つ、
「どういう心理状態なのか分かっていない」という事も
その理由となっているのではないかと思います。
そこで今回は、「うつ」とその対極的存在である「躁(そう)」の
心理状態について書いていこうと思います。
なお筆者は以前に軽いうつを経験しており、
その経験を基にした主観的な内容も多分に含まれております。
ぜひ参考にしていただければとは思いますが、
この文章の内容とは異なるケースがないとは言い切れませんので、
その点はご了承ください。
1. うつ ≠ 単なる落ち込み
人々の中には、単に落ち込んでいる状態の事をうつだと思っていたり、
そういう状態の事をうつと表現していたりする人がいます。
しかし、それは間違いです。
初めに述べた「どういう心理状態なのか分かっていない」状態です。
単なる落ち込みであれば、考え方の問題とも取れるので、
もしかしたらそれは甘えなのかもしれません。
でもそうではないのです。自分ではどうにもできないのです。
だから、うつを甘えだとするのはとんだ見当違いなのです。
そもそも精神障害はどういう状態なのか想像する事が難しい為、
実際よりも軽く見られがちです。
例えば、一般社会では単に「好き」だという程度で
「フェチ」という言葉が使われていますが、医学的には誤りです。
2. うつ = 無感情的
では、うつ状態の心理とは一体どういうものなのでしょうか。
一言で表すと、「落胆」ではなく「虚無」、
「マイナス」ではなく「ゼロ」です。
すなわち、「無感情的になる」という事なのです。
もちろん落ち込みもしますし不安に襲われる事もあります。
しかしそういった諸症状は全て、「無感情的」である事が
根源となっているのだと私は考えます。
無感情的になる為、うつ状態では「普段やってて楽しい事が、
楽しく感じられない」という現象が起きます。
「うつかどうか」をいくつかの項目でチェックする診断がありますが、
個人的には「普段やってて楽しい事が、楽しく感じられるか?」の
1項目だけで十分だと思っています。
心理学的に人間は、怒られるなどの「マイナス」より
無視されるなどの「ゼロ」の方が辛いと言われています。
「無感情」と「単なる落ち込み」でも同じです。
「ゼロ」の方が「マイナス」より辛いのです。
そして、そんな状態ではやる気も起きません。
決してサボっている訳ではなく、仕方のない事なのです。
さて、「感情」と対になるものは何でしょう。「理性」ですね。
「感情が抑えられる」という事は、
「理性が大きく勝った状態になる」という事でもあります。
その為、うつ状態の人はやけに物事を冷静に捉えられます。
「『自分で選んだ宝くじと係員に渡された宝くじの
どちらが当たりやすいか』という問いに対し、うつ状態の人は
普通の人に比べ『どちらも同じだ』と答える割合が高かった」
という実験結果がそれを示しています。
「冷静に捉えられる」というと良い事にも思えるかもしれませんが、
実際は度が過ぎて「ネガティブ」なのです。
そして極端に冷静であるという事は、すなわち
希望的な意味で「夢を見られない」という事でもあり、
考えも非常に狭くなります(心理的視野狭窄)。
私の場合も、普段は「楽しい事」が色々思い付いてやりたくなるのですが、
うつ状態の時はそれがほとんど思い付かなくなっていました。
当時はそうなっていた事は分からず、治りかけの時に
色々思い付くようになって初めて気が付きました。
一切の「楽しみ」と「夢」を失った人生…
自殺するのも無理はないと思いませんか?
3. 躁 = 感情的
最後に、「うつ」の対極的存在である「躁」についてです。
アンハッピーなイメージのある「うつ」に対して
ハッピーなイメージを持たれている「躁」ですが、
「ハッピー」だけでは躁を正しく理解できているとは言えません。
躁は「うつ」の真逆であり、うつは「無感情的」です。
つまり、躁は「感情的になる」のです。
「ハッピー」は「喜び」の方向に感情的になった場合であり、
それは躁の症状の一部分に過ぎないのです。
例えば、躁の症状には「怒りっぽくなる」といったものもあります。
これは、「怒り」の方向に感情的になった結果といえます。
また、エネルギッシュのかけらもないうつに対し、
すごくエネルギッシュになります。
そして、うつが「理性が大きく勝った」状態なのに対し、
躁は「感情が大きく勝った」状態になります。
その為、「理性による歯止めが効かない」という事が起き、
結果「衝動買いが激しくなる」などといった変化も起こります。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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本当は恐ろしい「うつ」の話
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-09-20-1
さて今回は、前々回の記事(お詫びの記事を含めて)に抗うつ薬の話で少しだけ登場した「うつ」がテーマです。多くの人はうつの事をぼんやりとしか理解していない感じがあるので、この記事でしっかりと理解してもらえたらと思います。
情報(精神)
AS
2016-09-20T09:45:11+09:00
前々回の記事(お詫びの記事を含めて)に
抗うつ薬の話で少しだけ登場した「うつ」がテーマです。
多くの人はうつの事をぼんやりとしか理解していない感じがあるので、
この記事でしっかりと理解してもらえたらと思います。
1. うつの原因
まず声を大にして言いたいのが、うつは決して「甘え」などではなく、
ちゃんとした「原因」があるのだ、という事です。
その原因ははっきりと分かっているわけではありませんが、よく言われているのが
「セロトニンなどの快楽物質(神経伝達物質)の欠乏」を原因とする説です。
その為、うつの緩和や治療の為に使われる「抗うつ薬」には、
こういった物質に対して分泌後再び取り込まれるのを阻害したり
分泌量を増やしたりして、その量を増やすものが多いです。
例えば、略して「SSRI」と呼ばれる「選択的セロトニン再取り込み阻害薬」や
略して「SNRI」と呼ばれる「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬」
などがあります。
2. うつと自殺
うつと一口に言っても、その症状には軽いものから重いものまであり、
重いものだと「死を望み、自殺を考える」レベルにまでなります。
事実、うつ病患者および抑うつ状態の人の自殺率は
そうでない人の自殺率に比べて大幅に高いです。
なお、あまりにも重いうつだと、「死にたいという思いはあるが、
自殺する為に動く事さえ億劫である」という理由で自殺しない、という場合があり、
治りかけの時にその億劫さが無くなって自殺する、というケースがあります。
その為、「うつは治りかけが一番危ない」と言われています。
(治りかけに自殺する理由に関しては、これとは異なる説もあります)
程度にもよるものの、うつとはそれほどまでに辛いものであり、
その事をもっと多くの人に知っていただきたいです。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
次回も引き続きうつの事(心理状態について)を書く予定です。
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「障害者のスポーツとオリンピック」の誤りのお詫びと訂正
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-09-20
以前書いた記事「障害者のスポーツとオリンピック」において、誤りがあった事が発覚しました。記事では現在のパラリンピックの対象を「肢体不自由者と視覚障害者のみ」と書いていましたが、実際は知的障害者も対象に入っていました。パラリンピックにおいて、知的障害者は一時期対象となっていましたが、知的障害を偽る参加者が現れた為に、それ以降対象外となりました。その為現在も対象外だと思っていたのですが、新聞のリオパラリンピックの記事を読んでいるとどうやら知的障害者が出場しているらしく、調べてみたところ2012年より知的障害者が再び対象となっていた事が判明しました。この度は私の調査不足により誤った情報を発信してしまい、申し訳ありませんでした。現在は訂正済みです。(当該記事は上(文章の初め)のリンクよりご覧いただけます)
その他
AS
2016-09-20T09:19:50+09:00
「障害者のスポーツとオリンピック」において、
誤りがあった事が発覚しました。
記事では現在のパラリンピックの対象を「肢体不自由者と視覚障害者のみ」と
書いていましたが、実際は知的障害者も対象に入っていました。
パラリンピックにおいて、知的障害者は一時期対象となっていましたが、
知的障害を偽る参加者が現れた為に、それ以降対象外となりました。
その為現在も対象外だと思っていたのですが、新聞のリオパラリンピックの記事を
読んでいるとどうやら知的障害者が出場しているらしく、調べてみたところ
2012年より知的障害者が再び対象となっていた事が判明しました。
この度は私の調査不足により誤った情報を発信してしまい、申し訳ありませんでした。
現在は訂正済みです。(当該記事は上(文章の初め)のリンクよりご覧いただけます)
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精神・発達障害の対処方法
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
風邪などの一般的な病気に対しては、かかった際にどう対処すればいいかは大体分かりますよね。また「身体障害」に対しても、「車椅子」や「リハビリ」など、負った際の対処方法はある程度想像が付くと思います。では「精神障害」や「発達障害」に対してはどうでしょうか。負った際にどういう対処方法があるのか、分からない人も多いのではないでしょうか。という訳で今回は、精神障害や発達障害を負った際の対処方法について書いていこうと思います。
情報(精神)
AS
2016-09-12T15:10:56+09:00
かかった際にどう対処すればいいかは大体分かりますよね。
また「身体障害」に対しても、「車椅子」や「リハビリ」など、
負った際の対処方法はある程度想像が付くと思います。
では「精神障害」や「発達障害」に対してはどうでしょうか。
負った際にどういう対処方法があるのか、
分からない人も多いのではないでしょうか。
という訳で今回は、精神障害や発達障害を負った際の対処方法について
書いていこうと思います。
1. 緩和と完治
まず初めに、対処方法を書いていく前に、
精神障害と発達障害の「完治」について書いておきます。
精神障害は、英語で「mental disorder(=変調)」というように、
一時的、すなわち完治させられるものが多いです。
一方発達障害は、以前の記事でも書いたように
「ほぼ先天性かつ不治」なので、緩和はできても完治は不可能です。
ずっとその障害と付き合っていく事となります。
2. 3つの対処法
精神障害は「精神病」とも呼ばれるように、
一般的な「病気」に近い性質を持っているといえます。
ここでは「風邪」と比較して考えてみましょう。
「安静にする」「病院に行く」「薬を飲む」
風邪を引いた時の対処としては、以上の3種類が考えられますが、
精神障害や発達障害においても、同じような対処方法があります。
まず「安静にする」ですが、風邪がしばらく安静にすれば治るように、
精神・発達障害も自然に緩和する可能性はあります。
発達障害に関しても、単に成長しているだけの可能性もありますが、
自然に緩和しないとは言い切れません。完治する事はありませんが…
ただし、放っておくとまずい場合もあるので、
症状が軽い場合を除き、この方法はおすすめできません。
次に「病院に行く」ですが、風邪などに対して「耳鼻科」があるように、
「心の辛さ」に対しては「精神科」があります。
もし「精神的に辛い」という事があったら、
抱え込まず、お近くの精神科を受診される事をおすすめします。
そして「薬を飲む」ですが、風邪に対して「風邪薬」があるように、
精神・発達障害にも「薬」があるのです。
風邪で耳鼻科を受診した時に風邪薬を処方してもらえるように、
そういった薬は精神科を受診した時に処方してもらえます。
なお、そういった薬は副作用が強めな傾向にあり、自分勝手な判断で
飲むと危険なので、風邪薬と違って市販はされていません。
3. 精神科の薬
精神科で処方される「精神に作用する薬」は、
風邪薬に様々な種類があるように、様々な種類があります。
例えば「うつ病」に対する薬は「抗うつ薬」と呼ばれ、
その中にも「SSRI」や「SNRI」などといった種類があります。
また発達障害の例としては、「ADHD」に対しては
「コンサータ」や「ストラテラ」といった薬が処方されます。
(なお私の障害は軽度なので服薬はしていません)
ただし先述した通り、発達障害は完治する事はないので、
その効果は一時的に症状を抑えるだけにとどまります。
つまり、服用の必要がないくらいに症状が緩和されるという
例外を除けば、基本的にはずっと飲み続ける必要があるのです。
なお、前項でも書きましたが、こういった精神科の薬にも
「副作用」があり、しかもそれが強めな傾向にあります。
「風邪薬を飲んだら眠くなった」とかいうレベルではないので、
取り扱いには注意が必要です。
4. 心理療法
ここまでは薬物療法など一般的な病気と同じような対処法を
書いてきましたが、精神・発達障害特有の対処法もあります。
それは、物理的・化学的手段に拠らず心理的な面に働きかける
「心理療法(精神療法)」というもので、
「認知療法」や「行動療法」などの種類があります。
この心理療法を行う人を「心理療法士」などと呼びます。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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24時間テレビに見る「障害の捉え方」
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-09-03
8月27日・28日に、毎年日本テレビが制作・放送している「24時間テレビ」が放送されましたが、今年の24時間テレビは例年に比べて「障害者」関連の事で物議をかもしました。今回は、その事について私見を交えながら書いていこうと思います。
私見
AS
2016-09-03T20:17:21+09:00
「24時間テレビ」が放送されましたが、今年の24時間テレビは
例年に比べて「障害者」関連の事で物議をかもしました。
今回は、その事について私見を交えながら書いていこうと思います。
1. 24時間テレビと障害者
24時間テレビは毎年、障害者(障害児)を集めて
「チャレンジ企画」と呼ばれる企画を行っています。
「障害者について知ってもらえるきっかけになる」一方で、
「都合のいい時だけ障害者を利用するな」などといった批判も出ています。
また今年は、「ダンスの企画で使われた曲(Perfect Human)の歌詞に
『人を強者と弱者に分ける』ような内容がありよろしくない」
という事でその選曲に批判が出たり、
「登山の企画で途中でへばる子供(障害児)を同行している父親が殴る」
といった暴力行為があったり、といった問題がありました。
2. 24時間テレビvsバリバラ
一方、その裏番組であったNHKの障害者情報バラエティー「バリバラ」では、
24時間テレビのこの企画やテレビの障害者に関する企画の多くは
「感動を煽る」やり方であるが、そうではなく
「笑いにする」べきである、という主張がされました。
両者では「障害」に対する捉え方が異なっていて、
前者の「感動を煽る」というのは、すなわち「逆境を乗り越える」ような
ストーリーであり、障害を「ハンディキャップ」として捉えているといえますが、
一方後者の「笑いにする」というのは、すなわち「違いを肯定する」ような
姿勢であり、障害を「個性」として捉えているといえます。
「どちらが良いか」「どちらが正しいか」については
人によって意見が分かれるかとは思いますが、
私個人としては、「どちらか片方」が良い・正しいというよりは、
「両方の視点(捉え方)」で見てほしい、と思っています。
3. 相反する2つの理想
我々障害者は、「下や異端に見られたくない」という思いから
「障害=個性」とするような「健常者と同じ扱い」を望みながら、
「社会生活などにおいて不利だから助けてほしい」という思いから
「障害=ハンディキャップ」とするような「健常者と違う扱い」も
同時に望んでいるものです。
人によってその比率は違うと思いますが、
多くの人はこの相反する2つを同時に望んでいると思います。
前項で「両方の視点で見てほしい」と書いたのはこの為です。
以前の記事で「発達障害そのものを個性と捉える」事に反対しましたが、
そこでも「強すぎる個性という側面もある」と書いているように、
「個性」という側面と「ハンディキャップ」という側面の両方がある、
という事を私は主張したいわけです。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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知られざる第二の年金「障害年金」
https://deko-boko.blog.so-net.ne.jp/2016-08-25
前回の記事で、障害年金について少し書きましたが、今回はその「障害年金」の事を詳しく書いていこうと思います。
情報(全般)
AS
2016-08-25T13:50:00+09:00
前回の記事で、障害年金について少し書きましたが、
今回はその「障害年金」の事を詳しく書いていこうと思います。
1. 障害年金とは?
一般的に、年金といえば「高齢者が貰える」ものを想像すると思います。
しかしそれは正式には「老齢年金」といって、
3種類ある年金の内の1つでしかないのです。
そして、老齢年金とは別に「障害者が貰える」年金があり、
それを「障害年金」というわけです。
(なお残りの1種類は、老齢年金を貰えずに死んだ人の遺族が
それを代わりに貰える「遺族年金」というものです)
障害年金を受給する為には、障害者手帳の場合と同様に、
医師に診断書を書いてもらい、それを含むいくつかの書類を
自治体の役所に提出して、申請する必要があります。
なお、障害者手帳を持っていなくても、障害年金を受給する事は可能です。
2. 障害年金の種類と等級
障害年金には老齢年金と同じく、無条件(※)で貰える「基礎年金」と
雇用されている人限定(※)の「厚生年金」があります。
前者を「障害基礎年金」、後者を「障害厚生年金」といいます。
(※…例外もあります)
そして、老齢年金にはない特徴として、障害年金には
障害の重さに応じた1~3級の「等級」があり、
これによって受け取れる年金額が異なってきます。
3. 障害年金と障害者手帳
障害年金と障害者手帳はどちらも「等級」がありますが、
この等級は別々のもので、審査も別々にあります。
特に精神障害者保健福祉手帳は障害年金と同じく「1~3級」なので
同じものだと勘違いしやすいですが、別々です。
その為精神障害者手帳を持っていても、同じ等級の障害年金が
受給できるとは限りません。
ただし、ややこしい事に「逆」は可能なのです。
つまり、精神障害や発達障害を理由として障害年金を受給していれば、
同じ等級の精神障害者手帳を手に入れる事ができるのです。
この仕組みが余計「同じものだ」という勘違いを促進させているように思えます。
では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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