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「うつ」と「躁」の心理 [情報(精神)]

前回の記事で、「うつ」にはちゃんとした「原因」がある事を
説明しました。

ただ、「うつ=甘え」という思い込みが広がっているのには、
「原因がある事を知らない」事ともう1つ、
「どういう心理状態なのか分かっていない」という事も
その理由となっているのではないかと思います。

そこで今回は、「うつ」とその対極的存在である「躁(そう)
心理状態について書いていこうと思います。


なお筆者は以前に軽いうつを経験しており、
その経験を基にした主観的な内容も多分に含まれております

ぜひ参考にしていただければとは思いますが、
この文章の内容とは異なるケースがないとは言い切れませんので、
その点はご了承ください。


1. うつ ≠ 単なる落ち込み

人々の中には、単に落ち込んでいる状態の事をうつだと思っていたり、
そういう状態の事をうつと表現していたりする人がいます。

しかし、それは間違いです。
初めに述べた「どういう心理状態なのか分かっていない」状態です。

単なる落ち込みであれば、考え方の問題とも取れるので、
もしかしたらそれは甘えなのかもしれません。

でもそうではないのです。自分ではどうにもできないのです。
だから、うつを甘えだとするのはとんだ見当違いなのです。


そもそも精神障害はどういう状態なのか想像する事が難しい為、
実際よりも軽く見られがちです。

例えば、一般社会では単に「好き」だという程度で
「フェチ」という言葉が使われていますが、医学的には誤りです。


2. うつ = 無感情的

では、うつ状態の心理とは一体どういうものなのでしょうか。

一言で表すと、「落胆」ではなく「虚無」
「マイナス」ではなく「ゼロ」です。

すなわち、「無感情的になる」という事なのです。

もちろん落ち込みもしますし不安に襲われる事もあります。
しかしそういった諸症状は全て、「無感情的」である事が
根源となっているのだと私は考えます。


無感情的になる為、うつ状態では「普段やってて楽しい事が、
楽しく感じられない」という現象が起きます。

「うつかどうか」をいくつかの項目でチェックする診断がありますが、
個人的には「普段やってて楽しい事が、楽しく感じられるか?」
1項目だけで十分だと思っています。

心理学的に人間は、怒られるなどの「マイナス」より
無視されるなどの「ゼロ」の方が辛いと言われています。
「無感情」「単なる落ち込み」でも同じです。
「ゼロ」の方が「マイナス」より辛いのです。

そして、そんな状態ではやる気も起きません。
決してサボっている訳ではなく、仕方のない事なのです。


さて、「感情」と対になるものは何でしょう。「理性」ですね。

「感情が抑えられる」という事は、
「理性が大きく勝った状態になる」という事でもあります。

その為、うつ状態の人はやけに物事を冷静に捉えられます。

「『自分で選んだ宝くじと係員に渡された宝くじの
どちらが当たりやすいか』という問いに対し、うつ状態の人は
普通の人に比べ『どちらも同じだ』と答える割合が高かった」
という実験結果がそれを示しています。

「冷静に捉えられる」というと良い事にも思えるかもしれませんが、
実際は度が過ぎて「ネガティブ」なのです。

そして極端に冷静であるという事は、すなわち
希望的な意味で「夢を見られない」という事でもあり、
考えも非常に狭くなります(心理的視野狭窄)

私の場合も、普段は「楽しい事」が色々思い付いてやりたくなるのですが、
うつ状態の時はそれがほとんど思い付かなくなっていました。
当時はそうなっていた事は分からず、治りかけの時に
色々思い付くようになって初めて気が付きました。


一切の「楽しみ」「夢」を失った人生…
自殺するのも無理はないと思いませんか?


3. 躁 = 感情的

最後に、「うつ」の対極的存在である「躁」についてです。

アンハッピーなイメージのある「うつ」に対して
ハッピーなイメージを持たれている「躁」ですが、
「ハッピー」だけでは躁を正しく理解できているとは言えません。


躁は「うつ」の真逆であり、うつは「無感情的」です。
つまり、躁は「感情的になる」のです。

「ハッピー」「喜び」の方向に感情的になった場合であり、
それは躁の症状の一部分に過ぎないのです。

例えば、躁の症状には「怒りっぽくなる」といったものもあります。
これは、「怒り」の方向に感情的になった結果といえます。


また、エネルギッシュのかけらもないうつに対し、
すごくエネルギッシュになります。


そして、うつが「理性が大きく勝った」状態なのに対し、
躁は「感情が大きく勝った」状態になります。

その為、「理性による歯止めが効かない」という事が起き、
結果「衝動買いが激しくなる」などといった変化も起こります。


では、今回はこれで終わりとさせていただきます。
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